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【グランピング企画】第7話:グランピングプロデュースは命がけ! 本当にあった恐怖のロケハン

2019.06.11



■その時、虎舎の扉は閉められた

堅苦しいお話が続いたので、今回はコーヒーブレイク的な感じでお読みください。

2年前・・・とある地域のとある動物園から「グランピングエリア増設」のご相談があり、当然ながら現地へご訪問を。

自然な動物の姿や、動物と触れ合えることを大切にされている動物園との事で、
園長がお考えになられるグランピングエリアもそこそこ奇想天外な構想です。

「夜はグランピングテントで好きな動物たちと一緒に寝れるようにしたいんだよねぇ」・・・(マママまじですか?)
「朝食は高台のウッドデッキを設置してキリンと一緒に食べて欲しいんだよねぇ」・・・(う~~~む)

その後、園長のアテンドで園内の様々に工夫を凝らした各動物のコーナーを拝見し、最後に虎舎へ。

園長:「虎に餌をあげてみますか?」
私  :「わぁ~楽しそうですね。是非是非!」
園長:「じゃあ虎舎の中に入ってくださいねぇ。私が扉を開けますから扉の横にぴったりスタンバイしてね。」
私  :「・・・・・えっ?・・・・・・あのぉ・・・・・・虎舎の中に入るのですか?・・・・・・園長と一緒に?」
園長:「いえ、お一人で入ってこのお肉の塊を高くかかげてください。」
私  :「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・マジですか?」(絶句)

そこから本当に10分間ほど考え込む私がいた訳ですが、雰囲気を壊すのもなんだし・・・、
まぁ虎も鎖でつながれている訳だし・・・ある意味大型犬に餌を与えると考えれば・・・

と、男気を出して虎舎の中へ。
バタン!と非情な音を立てて閉じられた虎舎の扉の中には、肉塊をかかげた私と虎だけ。

虎の鎖の長さもわからないので、恐る恐る虎との間合いを詰めていこうかと考えてると・・・
普通に・・・普通に・・・目の前の映像が嘘であって欲しいくらい普通に・・・虎が私に向かって駆けてきました。

鎖・・・繋がれてないじゃない!・・・放し飼いじゃない!(涙)

本能的に扉に向かって逃げようとすると、虎舎の外から園長の乾いたコメントが。

園長:「ダメ!ダメ!ダメ!・・・虎に背中を見せると襲われますよ!早く虎と向き合って!」
私  :(お前は「悪魔かぁ~~~!」)

■人生最初で最後の「虎のお手」

虎舎の外からは「それなりに」危機管理を考えた園長のコメントが飛んできます。

園長:「早くお肉を上にかかげて!」
園長:「きちんと目を見て向き合って!」
園長:「はい、今がお手のチャンスです!」

私  :「えっ?・・・・・・お手?・・・・・・お手ですか?」
私  :「おてぇ~~~~!」

全ては画像の通りです(笑)
人生最初で最後の虎の「お手」。

30分後・・・汗だくでへたりこんでいる私へ園長が声をかけてくださいました。

園長:「あの虎への餌やりは貴重な体験ですよぁ。子供から大人になりかけている最中なので、そろそろ人を襲ったりしますから。
     だからそろそろ餌やりは終了しようかと思ってるんですよ。」
私  :(絶句・・・襲うんか~い!)


人生最初で最後の「虎のお手」と同様に、私がこの動物園に訪問したのもこれが「人生最初で最後」となりました。