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グランピング経営の事業計画とKPIについて考える①

2025.02.06
■新規事業につきまとう「事業計画」

個人、法人関係なく新規事業としてグランピング事業を始める以上、必ず通る道が「事業計画」の作成。
例えば個人であれば補助金申請や銀行からの融資申請時に必ず事業計画を求められますし、
当然ながら当事者として自分が行う事業がどんな数字を描いていくのか?を把握する必要が生じます。
法人であれば社内稟議の大きな判断材料として必須項目となります。
恐らく各企業によって投資回収年月の社内基準もお持ちでしょうし、新規事業としての撤退基準もかなり
具体的に定められているのではないでしょうか?

事業計画・・・グランピング/アウトドアリゾート事業はともかく、ホテル/旅館などの宿泊事業を経験されて
いない方にとってはなかなかにハードルが高い作業でもあります。

年間稼働率は?(しかもTOPシーズン、繁忙期、通常期、閑散期をそれぞれ想定する必要あり)
宿泊料金は?(これまた各シーズン別に細かく細分化されていたり、1棟宿泊人数で客単価が異なっていたり)

この辺りはまずは年間営業カレンダーを作成し(地域の気候や特性を考慮して)、
次に宿泊料金表を作成してみて(シーズナル料金、宿泊人数別、料理、子供料金、ペット同伴など)、
そこから事業計画の売上部門へ落とし込んでいくことが一般的なのかと思います。

人件費は?(施設の具体的な運営設計ができていない場合はある一定の売上内パーセンテージで仮設定)
飲食原価は?(こちらもメニュー開発、原価計算が完了していない場合は同様に仮設定)
OTA手数料やクレジット決済手数料は?
リネンやアメニティ費用は?
光熱費関係は?
施設設備メンテナンスの費用は?
お客様、スタッフ、施設設備への保険は?
通信費、消耗品&諸経費は?
公式サイトや公式SNS、公式LINEの運用費は?
instagram広告やGoogle広告他プロモーション費は?
OTA各社のプロモーションツールへの投下予算は?

などなど

面倒ですよねぇ(涙)・・・しかも普段従事しているビジネスとは畑違い・・・なんて場合は(涙)
悪戦苦闘しながらエクセルシートへ各種数字を落とし込み、完了!と思いきや、実はここからが正念場だったりします。

完成した数字(主に利益)では会社が要求する投資回収年月がクリア出来なかったり、利益規模が足りなかったり(涙)
要するに会社の稟議基準に到達していない場合ですね。

正念場の作業は売上(稼働率や客単価を再考する⇒でも非現実的な数字になると事業計画の意味がなくなる)、
運営コスト削減(ただ根拠なく削減すると開業後に自分の首を絞めるなんてこと多数あり)

ここで解決できないと基本に戻って施設全体の仕様変更なんてことが視野に入ります。
要するに開発コストの削減ですね。

上記作業・・・弊社では事業主様と二人三脚でご一緒に悩みながら作業サポートしていたりするのですが
結果的にこの作業で苦しむことにより「ご自身の新規事業の構造や相関性など」全体像を把握することが
出来るので非常に大切なプロセスの一つであると考えています。

と・・・うまくまとめて今回のブログは終了させようかと考えていたのですが、
ここまで苦労して作成し、社内稟議や銀行審査をクリアした事業計画が、所詮は「開業前の単なる計画」に
過ぎないという事実があります。

次回は「事業計画」を軸に、開発開始~開業~開業後のお話をしたいと思います。