【グランピング企画】第4話:キャンプとグランピングの違い
2019.06.10
■5年連続で増加傾向にある「キャンプ人口」事業主様との会議の中で時折話題となるのが、アウトドアブームを背景とした「ここ数年のキャンプ人口の増加」。実際にオートキャンプ白書なるデータベースを確認すると、2012年の720万人から毎年増加し2017年は840万人へ。1996年には1,580万人にまで到達したキャンプ人口が年々減少し、半分以下の705万人にまで落ち込んだのが2008年。そこからジワジワと840万人規模まで盛り返していることは本当に素晴らしい事です。ただ・・・多くの事業主様やアウトドアメーカー様は、キャンプ人口の復活と重ねて「グランピングの明るい未来」を語られます。果たしてこれは正しいのか?■大きく異なる「キャンプとグランピング」の利用者ターゲット答えはNOです。完全に異なるとまでは断言しませんが、キャンプとグランピングの利用ターゲットは「大きく異なります」。オートキャンプ白書のデータにも表記されていますが、なんと840万人のキャンパーのうち、約60%近いキャンパーが「グランピングは利用しない!」と答えています。恐らくキャンパーのキャンプに対するモチベーションは、・自分でマイテントを設営する・料理は食材も持ち込んで自分で調理する・なるべく費用を抑えながらアウトドアライフを満喫すると言った部分に集約されるのではないのでしょうか?なので、60%を占めるコアキャンパーの皆さんにとっては「グランピングはあり得ない」となる訳ですね。では、グランピングの利用ターゲットとは一体どこに存在するのでしょうか?某旅行会社が発表されましたが、現在国内旅行者は年間延3億人を突破したらしいです。そうです・・・グランピング利用ターゲットとは、この「国内旅行者の延3億人」なんです。次の旅行は「ホテル」に泊まるのか? 「旅館」にするのか? はたまた「グランピング」にするのか?グランピングはそんな選択肢の一つになっていると考えられます。それは、1回の旅行で使う費用を比較しても明確です。オートキャンプ白書で明記されている「キャンプ1回の予算」が約2万円(ガソリン、高速道路費用含む)に対し、某旅行会社の発表では「旅行1回の予算」が5万円以上。旅行に対する費用のかけかたの概念でも、グランピング利用者は明らかに「国内旅行者」寄りの志向となります。■グランピングの位置づけグランピングのライバルがキャンプではなく、ホテルや旅館であることはご理解いただけたかと思いますが、ではグランピングはそのライバルに対してどの様な差別化を図るべきなのでしょうか?当然、同じ旅行者でも旅行の同伴者やその時の気分によって旅行先や宿泊形態の希望は変化します。であれば、個人的な見解としてはグランピングは以下の様な施設であるべきだと考えています。・同じ宿泊施設でも、グランピングは最も「自然」に近いシームレスな環境で過ごしたい・「自然」に近い環境だけど、キャンプとは異なりホテルや旅館に近い設備が欲しい・キャンプよりはスタッフに構って欲しいけど、ホテルや旅館の様な手厚いサービスはいらない・恋人同士でも楽しめるけど、ライバルとの最大の差別化は「グループで楽しめる」のがグランピングその他その他・・・是非、これからアウトドア・グランピング施設の事業化を検討されている事業主様は、同じアウトドアでもキャンプとは異なる利用者ターゲットを相手にする事をご理解くださいませ。そうです・・・東京は恵比寿のレストランで女子会を楽しんでいるOLグループたち。彼女たちは決してキャンプには行かないのですが・・・グランピングへはそのままの勢いで利用します。例えが偏ってしまってすみません・・・でもそんなイメージです。
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