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グランピング 風呂 シャワー トイレのあれこれ 

2023.11.09
■ご判断が分かれる「お風呂とトイレ」

グランピングやアウトドアリゾートのお仕事をさせていただいてる中で、事業主様が悩まれ、ご判断が分かれるのが「風呂とトイレ」問題。勿論・・・悩まれて判断せねばならないポイントは「個別設置か共同か?」

宿泊設備が「グランピングキャビン」または今年に入って増加している「グランピングヴィラ」であれば、ほぼ悩まなくてもキャビンやヴィラ内に個別基本設備として「風呂&トイレ」、「シャワー&トイレ」を設置される事業主様が殆どです。

宿泊設備に「テント」を選択されている事業主様がこの問題に直面します。

確かに自分が利用者としてテントグランピング施設にお邪魔した時を振り返ると・・・

「共同トイレ」⇒雨天時に移動が大変だったり、トイレ設置数が少なかったり、汚かった時には地獄でしかありません。嫌な思い出が残ってます。でも清潔な管理棟などに併設された共同トイレにはあまり嫌な記憶は残っていません。

「共同風呂(シャワー)」⇒共同風呂でも大きめの温浴施設だったりするとテンション上がるし、それが温泉だったりすると最高でした。共同シャワーは清潔感と脱衣所が広ければ特に文句はありませんでした。

ただ、これは僕がアウトドア施設に対して許容範囲が比較的広め(笑)でおっさんだからかも知れません。

女性は・・・なかなかに許してくれません(笑)
女性の口コミやアンケートでクレームがつく筆頭が「水回り設備」なんです。

特にトイレの数が少なくストレスになったり、簡易系のトイレだったりするとそこでリピーターを失うこととなります。
またそんな彼女たちの口コミでも掲載されたときには近未来の顧客を失う可能性もあります。
共同シャワーに関しても同様ですね。前の利用者の残骸が残っていたり、脱衣所が狭くストレス発生すると・・・(涙)
それと多くの女性は共同トイレにせよ共同シャワーにせよ、そこまで行かねばならない「移動」に対しても否定派が多数存在します。

雨が降ってるのに移動?
共同シャワー棟の往復の着替え持参に抵抗がある・・・などなど
カップルや家族の宿泊先の選択や決定権の多くが女性に握られている日本の現実を踏まえると「水回り」への開発コストはある程度の覚悟が必要です。

実際に各地のグランピング施設をチェックしていると、ドームテント型グランピング施設でも多くがアウトドアデッキに個別シャワー&トイレ棟を設置されている施設がスタンダードになりつつあることがわかります。設備の仕様によっても異なるでしょうが1棟あたり200万円程度の投資は覚悟が必要かも知れません。

またホテルや旅館が新設したグランピング施設などは、お風呂はホテルや旅館の大浴場を利用するパターンも多く見受けられます。

僕たちが過去に関わらせていただいたグランピング場も、母体は元々あった国民宿舎であり、当初はグランピング場の宿泊者はその大浴場を使用するスタイルでした。ただ国民宿舎とグランピング展開場所が少し離れていたこともあったので、グランピングエリアにも「共同シャワー」を設置の提案を行いました。

勿論基本は「国民宿舎の大浴場」をメインとするのですが、グランピング施設利用者の中には様々なニーズがあり、
・夏場はシャワーで十分という利用者
・夜は大浴場が嬉しいけど、朝は別途近場のシャワーを希望する利用者
・夜仲間と飲みだすと大浴場まで行くのが面倒になる利用者  などなど

そしてその施設には共同シャワー設置となった訳ですが、そこそこスペースを確保し小さなお子様と「親子3人」で入れる仕様としました。
これだとママが子供を先に洗ってパウダースペースにいるパパへ預け、ママはゆっくりシャワー、パパは子供の身体ふきと着替えに役割分担が可能。
このシャワー設備は好評みたいで、共同シャワーの負のイメージを与えずに利用していただいてます。

■更に判断が迫られるアウトドアデッキ

もう一つ悩まれるのがアウトドアデッキ上の展開。
多くの場合、アウトドアデッキはBBQをしたり、仲間と飲み明かしたりと言う「アウトドアでのダイニング&リビング」の役割を果たします。

では・・・アウトドアであるがゆえに「雨風対策」はどの程度まで開発段階で対応するのか?がお悩みのポイントとなります。

☆一番簡易な対応は「パラソル」
コスト的には数万円程度で済む訳ですが、ピンポイントでの雨除けにしかならず風にも非常に弱い対応となります。
一昔前のグランピング施設ではお見掛けすることもありましたが、現在ではほぼ絶滅品種となってます。

☆「ガゼボ」対応
ガゼボ自体も様々なタイプがありますが、既製品ではダイニングテーブル(4~6名)をすっぽりとカバーできるくらいのサイズで
横面には風よけのカーテンがついているものがポピュラーだと思います。
簡易なガゼボだと10万円以内で購入可能ですし、高級なものだと屋根の開閉機能なんかもついて100万円前後になることも。

☆「ダイニング棟」設置対応
前述のトイレ&シャワー棟と同様に、冷暖房完備したダイニング棟を設置しているグランピング施設も近年は多くなってきました。
確かに雨風の影響も大きく軽減され、夏は涼しく冬でも暖かくご飯を食べれる最高の環境となります。

☆「アウトドアデッキ自体に屋根」設置対応
これは前述のダイニング棟同様にほぼ建築設置の領域となります。

このアウトドアデッキに関する事業主様のお悩みは、当然「お金(コスト)」面も大きいのですが、もう一つはアウトドアに対する判断軸
が定まっておられないといった側面もあります。

例えば・・・キャンプを「アウトドア」、ホテル旅館を「インドア」とするとグランピングは「ミドルドア」という概念に。
ではミドルドアの世界ではどこまで利用者に対して「快適さ」を完備してあげれば良いのか?と言った判断軸です。

アウトドアは好きだけどキャンプにそっぽを向いていた利用者たちが「グランピング」に喰いついて市場は大きくなりました。
でも利用者の快適さばかりを究極に突き詰めていくと・・・「それじゃあホテルでいいんじゃないの?」ってことにもなります。
何か・・・本末転倒的な(笑)

そうなんです・・・グランピングはアウトドアでの快適さが非常に大事であり「アウトドアでの」の枕詞を忘れて議論すると
気が付くとホテル仕様に近づいているって笑い話が現実に起こっています。

事業主の皆様!
正解はありませんが引き続きご一緒に悩んで議論させてくださいませ。