スタッフブログ

これから新規事業としてグランピング事業を検討される皆様へ

2024.02.27
■ 某有名アウトドアメーカー様の大幅な減益について

先日某有名アウトドアメーカー様の前年比90%以上に及ぶ大幅減益の記事がネットを賑わせました。
キャンプなどアウトドアに無縁の方々でさえアパレルを購入されたことがあるご存知のメーカー(ブランド)だけに
大きな反響を与えたようですね。

「あぁ~、アウトドア市場はブームも終焉なんだ」・・・そんな発想に繋がった方も多いとお聞きしています。

果たしてその通りなのか???
僕は個人的には「その通りでもあり」「間違いでもある」と考えています。

先ずはオートキャンプ白書が発表している【キャンプ人口】についてざっくり見ていくと、
コロナ前(~2019年)まで年間延600~700万人規模で推移していたキャンプ人口は、コロナ禍で(2020~2021頃)860万人規模にまで
市場拡大します。そしてアフターコロナ(2022~2023年頃)には大幅ダウンで650万人程度にまで減少しています。

そうです。コロナ禍で「キャンプは安全」「国内外の旅行に行けないのでキャンプくらいは」「友人知人のキャンプ好きが薦めるので」と
いったライトキャンパーが大幅に増加し、「やはりキャンプは合わないな・・・」と消えていったと考えるとコロナ禍キャンプブームは
終焉を迎えたと言えます。
そして形から入る新米キャンプ体験者が有名アウトドアメーカーでグッズやアパレルを購入され、売上拡大に繋がったことも容易に想像できます。

ただ・・・市場的には「浮動票」が消えただけで固定のキャンプファンは消えていませんし、アウトドアグッズに関しても新品市場は落ちたかも
知れませんが現実に「中古市場」は大きく賑わったりしている事実があったりします。

■このニュースに「グランピング市場」は連動しているのか?

私たちのお客様にもアウトドア=キャンプ&グランピングと早合点される方々がおられますが、以前ブログでもご説明した通り
キャンプとグランピングはそもそも異なる顧客をターゲットとしており同一市場で語られるものではありません。

キャンプは「アウトドアコア層」の方々を中心に市場形成されており、キャンパーからグランピング愛好家へと変身される方は
あまり聞いたことがありません。
逆にグランピングは「一般の国内旅行者」をターゲットにしており、ある意味ホテルや旅館がその宿泊競合と考えられています。
そしてグランピングをきっかけにアウトドアに触れた方が、更なる興味と関心でキャンパーへと変身することはあり得ると思います。

ですので普通の国内旅行者であるグランピング利用者が、有名アウトドアメーカーでキャンプグッズを購入することも考えにくいのです。
(アウトドアアパレルに関しては前述の通りアウトドア経験者に限らず購入者はおられますが・・・)

ですので結論をお伝えしますと、このニュースからグランピング事業推進の可否を議論すると間違った方向に進むと考えています。

■これからグランピングを新規事業としてお考えの皆様へ

とは言え、良くも悪くも(この意味は過去ブログでご確認を)急速な市場拡大を果たしたグランピング市場は
2020~2022年と同じ感覚で捉えると事業として失敗する場合も十分に考えられます。

アフターコロナ(2023年~)によって海外旅行が復活しました。大きなライバルです。
そして市場拡大したグランピングに対してホテル&旅館と言った競合施設も本格的に戦いを挑んでくるはずです。

先ずはグランピング市場の競合施設との闘いの前に前述のライバルとの闘いがあります。
グランピングならではの体験価値をどう創造するか?がこの闘いのポイントになります。
そうです・・・「グランピング施設を作って開業したら楽に儲かる」なんて概念は捨ててくださいね。
当たり前の経営努力が求められますので。

そして最後はグランピング競合施設、類似施設との闘いですね。
現場から入ってくる風の噂では「テントグランピングが稼働率を下げ、高級キャビン&ヴィラが大きく台頭してきた」なんて
話も聞きます。
高級キャビン&ヴィラなどは私が以前からお伝えしている「グランピングと言う言葉を越えた」領域になっているかと考えます。
また同じ「テントグランピング」の中でもロケーションや体験価値などによって大きな差がつき始めているとも。

グランピング事業は「更に儲かる」「淘汰されていく」の大きな二極化構造になるかも知れません。

また現在2つの大手企業様の新しいプロジェクトの末端に座らせていただいているのですが、
奇しくもこの新しいプロジェクトは、地域活性化をベースに異なった目的とコンセプトで複合施設としての展開をご準備されてますが
一つの重要なコンテンツとして「アウトドアと接点を保有する宿泊施設」が求められています。
これをこれまでと同じ温度で「グランピング」と呼ぶのか?それとも進化した新しい名称で呼ぶべきなのか?はわかりませんが
グランピング市場拡大の大きなソリューションでしょうし、グランピング利用者の多様化するニーズに応える一つの手法かも知れません。

カプセルでは実際に、新しくグランピング事業を検討されている事業主様をお引き合わせし議論も開始していたりします。
事業マッチングをしながらこの新しい現象からも学びを得たいと思います。

両方とも本当に興味深いプロジェクトだったりしますので、新規でグランピングビジネスをお考えの事業主様は是非お声がけください。
そして情報解禁OKなタイミングが来ましたらこのでもお話をしてみたいと思います。