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グランピングの今後(グランピングは一過性のブームなのか?)

2022.12.05
■グランピングは過去にもあったアウトドアブームと同じなのか?全く異なるのか?

僕の記憶では第1次アウトドアブームはバブル崩壊後の90年代半ばから。
「消費(金)」に疲れた反動から「自然体験(時間)」へとシフトがあり、キャンプブームが生まれた感じだったかと思います。
ちょうど公務員の週休二日制導入(勿論その影響は民間企業へも波及)も追い風となり、週末は家族や仲間とキャンプ!へ。

その第1次アウトドアブームは意外に早く終息もしました。
MAXでは年間のキャンプ体験者が延1,600万人にまでブームとなったものの、
90年代後半には「ネット」「ゲーム」といった「グループから個人」への時代がやってきて、急速に沈下したイメージですね。

そして2010年代半ばより復活した第2次アウトドアブームの背景は皮肉にも第1次を終焉へと追い込んだネットが原動力となったようです。
ブログからSNSへと進化する中で、素敵なアウトドア体験は簡単に不特定多数の方々へ伝えることが可能となり、
ネット検索でアウトドアグッズや素敵なロケーションや施設が簡単を簡単に知ることが可能となり、
「インスタ映え」なる場所や設備はあっという間に人気になる始末。

この第2次アウトドアブームは第1次と大きく異なる部分があります。
そうです・・・グランピングです。

第1次はキャンプでのみアウトドアは語られていましたが、第2次ではグランピングの出現がその規模の違いを生み出しています。
また第1次と異なり、第2次がなかなか終焉の気配を見せないのは以下の理由が大きいかと思います。

第1次(=キャンプ)はアウトドア好きの中でもやはり「コア層」である事実。
第2次(+グランピング)はアウトドア好きの中でも「ライト層」である事実。

このライト層とは、いわゆる「普通の国内旅行者」のたぐいとなります。
グランピングと言う入口がなければ「自然は好きだけどキャンプしてまでは行かないわ」って方々です。
コロナ前の国内旅行者の年間延数は軽く3億人を越えています。
延数1千万人以下のコア層であるキャンプ人口とは大きく異なるのです。

またグランピングは日常のライフスタイルとも深くリンクしている部分がキャンプと異なります。
家、家具、酒、洋服、車、健康、音楽・・・最近ではブライダルまでがリンクし始めている状態です。

個人的には「グランピング」という言葉が消えたとしても、「自然に最も近い場所でラグジュアリーに過ごす」文化は簡単には消えないと判断しています。
様々にその形を変えたとしても。

■グランピングはどう進化?変化していくのか?

言葉は悪いですが全国に似たり寄ったりの施設が増加して、利用者もグランピングリピーターとなって成熟していく中で、
近いうちにグランピング市場はスクラップ&ビルドが起きると確信しています。
一昔前の「テントに家具を入れて・・・はらっ!これがグランピングですよ!素敵でしょう?」で儲かる時代は終わりを告げます。
少し利用者を小ばかにしている施設も増えてきました・・・残念ですが。

そんな中で僕の中で幾つかのキーワードがあります。
①本当にストレスフリーなドッググランピング(ペット同伴グランピング)
②本当に富裕層(背伸び層)が楽しめるグランピング
③アフターコロナ&ウイズコロナ時代のインバウンド対応グランピング
などなど

グランピングが日常のライフスタイルと密接につながっている以上もっと様々なアウトドアリゾートキーワードは出てくるでしょうし、
フィリピン、タイなどには日本より数段素敵なアウトドアリゾートがあり、日本は後進国じゃないかとも考えさせられます。
(日本は富裕層ではなく可処分所得高い層向けの施設が多数です)

是非これから真剣にアウトドア事業を推進される皆さんとはそのあたりも意見を交換し議論しながら施設開発をご一緒にしたいですね。
宜しくお願いいたします。