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廃校活用の面白さとハードル

2023.01.20
■少子化により毎年増加する「廃校」

僕自身、この仕事をするまでは全く関心がなかった「少子化による日本全国の廃校増加問題」ですが、
確かに各地で自治体が頭を悩ませるくらいに大きな問題となってきているようです。

平成30年度時点で廃校の延数は7,583校。
なんと近年では毎年400~500校が新たに廃校として増加している様です。

■廃校活用率は約75%と発表はされているが・・・果たして

関係書類を拾っていくと、廃校の活用率は75%程度と唄われている・・・本当か?
恐らく数字自体は本当なんだろう。
問題は、活用されていると言われている75%が果たして本当にストレスなく活性化に繋がっているか?というポイントだと思う。

以前某地域でお聞きしたお話では、地域のコミュニティ目的に活用されているが、管理される方はボランティアで疲れており、
維持費は該当自治体が負担しているとのことでした。
実はこういったある意味健全ではない現状は日本全国で多数存在しているのではないかと思う。

■活用内容

廃校の活用内容は多くは「地域教育・文化研修」名目が多く、次に自治体のサテライト庁舎、地元大学のサテライト校舎といった名目、
面白いところでは高知県では水族園活用、鳥取県ではコワーキング活用、兵庫県ではレストラン活用といったものがあげられます。

そして僕たちのカテゴリーで言うと鹿児島県の廃校活用を始め「宿泊施設」活用が少しづつ増え始めている様です。

■廃校の宿泊施設活用

健全に収益を上げ、地域の観光促進を図る目的として「宿泊施設」活用は理にかなっていると考えます。
何よりも利用者のノスタルジックな気分をくすぐり、校舎も校庭もアイデア次第では「泊まりたい施設」へと変身が可能だ。
校庭でグランピング
校舎では長期滞在用のドミトリーホテルやワーケーションスペース
教室は改造して地元の食材を使ったカフェレストランとして事業者を誘致することも可能
音楽室が防音設備が生きているならばバンド合宿
プールはリノベーションしてラグジュアリープールへと
そして宿泊者だけではなく、地元の住民の方も昔を懐かしみながら愛犬の散歩途中でお茶をしたり
・・・少し考えるだけでワクワクします。

■少しのハードル

ただ、そのワクワクは少しのハードル越えが必要な様です。
・インフラ設備はまだ使用可能か?(投資コスト)
・ホテル旅館への用途変更において建築基準の問題からリノベーションコストが割高に(投資コスト)
・該当自治体の協力が必要(調整)

今回石川県の廃校を訪問しましたが、事業者&自治体が二人三脚となれれば、廃校宿泊施設を拠点とした
地域活性化(点から面)の可能性は大いに秘めていると確信しました。